練習帳

路上( mixologist2828.hatenablog.com )の下書きアカウント

やっぱり現実じゃだめ

  (1ヶ月ほど前に書いた投稿です)数日前、(それなりに容姿の整った)女がホストを刺して血まみれで煙草を吸っている写真を見た。そのような画像が出回っていると知って、わざわざ検索して見た。個人的にそういう写真作品や世界観にシンパシーを感じる部分があり、良いと感じてしまうかもしれないと心配しながら、一方で常識的な感性でもって気色悪いと感じるのではないか(そしてそれが自分の感性の凡庸さを証明するのではないか)とも心配していた。結局、その写真には全く心を動かされることはなかった。

  さっきまでいぬやしきの実写版を見ていた。特殊能力を手に入れた高校生が通り魔的に殺人を繰り返していた。そのシーンのカタルシスは、夕方のニュースの通り魔殺人事件とは遠く掛け離れていた。たとえその犯人が悲しい過去を背負った美少年であっても、それは悲惨なニュースという以外の印象は与えなかったとおもう。

  血まみれの女の写真は作品に求められるのとは違うベクトルに、リアリティがありすぎた。色もいかにもスマホといった感じでのっぺりしていたし、なによりそれをああだこうだ言うツイートが雰囲気をぶち壊していた。隣でルームメイトが見ているテラスハウスも気になって仕方がなかった。

  現実世界には雰囲気やエモさがない。現実世界には世界観が欠落している。私の視点は目の前の世界をストーリーにできるほど首尾一貫していない。現実はストーリーにならない。物語は誰かが彼の視点で語ってはじめて成立する。それも誰にも邪魔されず、彼の自意識やら承認欲求やらその他現実的で色味の調整されていないあれやこれやを一切排除できる強い没入感でもって語られなければならない。雰囲気もエモさもストーリーもない現実世界は単調で、散漫で、リアリティに欠けている。

 やっぱり現実じゃだめなんだ。